2023年3月2日

Concours international Long-Thibaud Gala Concertへ。

亀井くんの “Reminiscences de Norma de Bellini” は圧巻の演奏。Saint-Saëns: Piano Concerto no. 5 (Egyptian Concerto)は,徐々に音楽へ没入しクライマックスで最高潮に到達。場の空気を力強く支配する Pianist に成長しつつあるなと思う。すでに Piano Concerto に慣れているのでオーケストラを見る余裕もあり,4月のTchaikovsky: Piano Concerto No. 1 や 6月の Rachmaninoff: Piano Concerto no.2 も楽しみ。とはいえ少し陶酔しすぎな表現も感じたので,作曲家の意図や心など背景を軽んじていると感じるような演奏にならないように気をつけて欲しいなとも思う。そういう意味で21歳らしい演奏ではあった。

重森くんも力演だった。ただ Tannhäuser の音の奥からオペラ芸場の幕が上がる景色が見えるような表現や音の強弱の意図が見えなかった。かなり難易度が高い曲へのチャレンジだったと思うけど,難易度より表現を深める方が良いかもと思った。Tchaikovsky: Piano Concerto No. 1 は Piano Concerto の経験不足な部分もあったけど,音圧がしっかりとあり巧みな東京フィルに負けてなかった(東京フィル…巧い)。

いつもと聴衆層が違うのか,ちょっと騒ついて音楽を聴く雰囲気が…なのは Gala Concert のご愛嬌ということで。